毎日着ている服のまま、旅に出かけられたら最高なのに、といつも思う。そうなると、ジャケットであれば透湿防水性の高さを求めたり、パスポートをなくさないように、ポケットにはジッパーがあった方がいいなぁとなって、アウトドアブランドのロゴが大きく入ったシェルを着ていた時代がありました。でも、そうしたマウンテンパーカのスタイルだと、着丈が短いから雨からパンツを守ることができない。カッパの上下で旅をするわけにもいかないし、できるだけ普段と同じ服装にしたいという考えからはどんどん離れていってしまう。そんなことをぼんやり考えながら、このコートを作りました。薄くて軽くて透湿防水性が高く、必要のない時はコンパクトになる。オールシーズン使えるアウターです。強度の高いナイロン糸を使ったリップストップという引き裂きに強い生地に撥水加工を施し、裏面にはPUラミネート＋膜面処理を施した2.5層の生地を使っています。縫製箇所にはシームテープを貼っているので、まず、雨で濡れることはないでしょう。この前も、このコートを着て山へロケに行きました。霧と風と雨とでかなり過酷だったけど、寒さを感じることもなく、適度にストレッチ性もあって、肌に触れる面もベタつかないから、ストレスなく仕事ができました。デザインとしてリフレクターを入れています。これは好き嫌いが分かれるところではあると思いますが、そこまで主張がないから、これくらいのディテールはあってもいいかなと思っています。また、薄い生地だから雨の多い季節には折り畳み傘を持つよりも、軽くて便利だと思います（個人の感想です）。A.H

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【CAHLUMN/カウラム】
ロンドンのMONOCLE やPOPEYE、AH.Hなど数々のファッションメディアでスタイリスト／ファッションディレクターとして活動してきた、長谷川昭雄による服と雑誌。

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