武骨でハードな印象のバイカーズウォレットをソフトな印象に再構築したウォレットシリーズ「PORTER CAB（キャブ）」です。

1枚革で仕立てることが一般的なバイカーズウォレットを、薄く漉いた2枚の革を貼り合わせるベタ貼りという技法を用いています。さらに縫い目のピッチを細かくし、切り目の磨きを丁寧にすることで上品な雰囲気に仕上げました。

表革と内装のヌメ革はタンニンのみで鞣しており、ベタ貼りによって丈夫さとコシを出しました。２枚の革を貼り合わせたものは１枚の素材となり、ベタ貼りは表裏ともに銀面のため薄手ながら丈夫でハリがあり、しなやかさが加わります。切り目は面取りした後に丹念に磨きをかけ、丁寧に手作業でコバを塗りました。
また、極力芯材を使わず革の漉き具合によって厚みを調整しています。負荷がかかる箇所には革の厚みを持たせ、縫い目が重なる縁は薄くするなど細かな調整をしており、日本の職人の丁寧な仕事が感じられます。

内装には部分的に表革も使用しており、はっきりとした色合いの表革と内装のナチュラルヌメのコントラストの美しさも魅力の一つです。

ラウンドファスナー仕様のロングウォレット（02946 ）以外は、バイカーズウォレットの特徴でもあるアコーディオン状の収納室を備えており、一目で内装が見渡せるため収納物の出し入れがしやすい構造です。革のくるみホックは柔らかい印象を与え、デザインポイントにしています。

素材は一般的な牛ステアに比べて肌理が細かい国産ホルスタイン牛で、銀面が詰まったしなやかさがあり、使い込む程に馴染み色が深く変化しツヤが増していきます。
ピンクとイエローは発色が美しく出るようにホワイトタンニンで鞣し、セミアニリン仕上げにして、傷や血筋が目立たないようにしました。シックなトーンが魅力のブラックとブラウンはアニリン仕上げにし、革本来の透明感を活かしています。内装はエイジングの醍醐味を存分に味わえるナチュラルヌメを使用しました。

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